びたえあ
2 へんなやつ

履歴を消しつつ、ビデオを動かしてたが、ふいに電源を落とす。

「あ、ごめん。なんかこれ調子悪くてー。さっきの消えた」

ボクが5人に言うと、使えねー! とかが帰ってきた。
こうして何が悪いかも知らないまま補導されるだなんて、ウケる。

あーあ。


通報を待っていたけど、暇になったから、そいつらを放置して帰ることにした。あ、でも、怪しまれるかなぁ。うん、誰かひっかけて行こう。

「そこの」

中心でいじめられてたやつに声をかける。
そこの? と嫌そうにしたが五人の手が止まったからか、必死に救いを求める目を向けてた。

「話があんだけどさ、いつまでもこいつらと遊んでるから、早く終わらせて」
「ご、ごめん、今日は、おかねないから、用事は、また、するから……」


おどおどしながらそいつが言うと、5人が舌打ちする。ちょうどいいタイミングで誰かが来たみたいだから、ボクと弱いやつは慌てて退散した。

道路の向こうで阿鼻叫喚が聞こえたから、ボクは大笑いした。

あーあ!

みんな死ねばいいのに。
ボクはいじめられっ子が大嫌いだ。昔、足を引っ張られたことがある。
人を大事にできないからいじめられるし、数少ない人が優しくしても調子に乗るやつが多い。そんなイメージしか持っていない。自力で助かる頭がついてないやつなんか助けない方がほんとは正しいんだ。


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