びたえあ
1月23日17:25
小さい頃に聞いた話。人間には愛情を受けとる機能があって、それが正しく働かなくなることがあるらしい。
ミラー症候群と《あの人》は呼んだ。
ボクは自分自身を見ているより他人を見ている方が嬉しい。
他人を見ることでしか、幸せを得られない。
自分に向くものが、映らない。
よく、単なる認識不具合であり愛情を注げば治ると間違えられているが根本的に頭が理解を止めているから、右から左へと流れていくだけだ。
愛されれば愛されるだけ、全部消えていくだけ。
しかし考えてみると、他人の目を作り上げることで幸せになれるというのは、つまりなにか作っていれば誰かの為にもなりボクも幸せだということ。
永遠に外に出られない天職。
唯一の幸せ。
だから今日もボクは、廊下を歩きながら、どうでもいい薬品を調合するためのことを考えていた。
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