びたえあ
30.底が抜けたら返りましょ(13/17)
廊下の壁には確かに内線がついてる。
一個だけ。
「私は、内線で呼んだんですってば」
ボクはリュートをちらりと見上げた。
どうしようかな、頭のなかに選択肢が三つ出てきた。
「……」
けれど何も選ばなかった。
「おばさんとは、すれ違った?」
ちなみにBCDEとFGは、階が違うので一旦除外している。
「部屋を出て、また部屋に戻って、少しだけ出て、また戻っていた間に――おばさんは上がって来ていなくちゃならない 」
リュートは、廊下でメイドを見なかったと言った。
「あの倒れ方、客人をもてなすつもりだったんじゃない?
お茶やお菓子をおばさんに運ばせてていいのか。『 道具 』が。
居なかったら仕方ないけれど……」
「いつものように掃除をなさっていたのなら、階段の方へ降りていくはずです」
リュートが付け足す。
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