びたえあ
30.底が抜けたら返りましょ(11/17)
生まれた瞬間からミキサーにかけられ、羽を舞い散らせ、世界に血を跳ばす雄――――
「見て……いま」
「ひめ、誰かとすれちがったかい?」
ボクはAがなにか言おうとしたタイミングでひめに聞いた。
「まさか、居なかったよ」
――ひめは誰かの足音を聞いて慌てて部屋に戻ったらしい。
けれど、ぼくは、おろおろしている瞬間のひめに出くわさなかった。
「二回目に部屋から出たときは……どうしていた?」
「普通に、待ってた。すぐ、戻ってきた、し」
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