びたえあ
30.底が抜けたら返りましょ(6/17)

「それはもちろん廊下に居たからです。それで彼女が階下から上がるのが見えましたので」

「で? 部屋に戻ってから、ひめを呼びにいったあと、抜けてくぐもった声も聞いたんでしょ?」

 記憶がまだ、ぼんやりしてるけど……
ボクはリュートとわかれたあと、まっすぐ部屋に戻らなかったんだ。
そしてリュートは先に、戻ってて。

「なにを……」

ボクは笑顔を崩さない。いい加減、顔が固まりそうだ。

「ボクは、リュートが超スゴい! とはそりゃ思ってないけど。クラスの小鳥遊の100倍は頭が良いと思ってる」


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