びたえあ
30.底が抜けたら返りましょ(5/17)
ボクは笑顔を向けた。
「二人でゆっくりできるところがいいね」
「そ! そそそそ、そですね!?」
ひめはかなりパニクっていて、見ていておかしかった。
「あ。でも、ひめは。
『此処にいちゃいけない』んだっけ」
ボクが改めて言うと、そいつはみるみるうちに、悲しそうな顔になった。
「まぁ、少し、待ってよ。終わらせるように頑張るから。えーっと……
考え事をしながら、ボクは、顔を洗って戻って来たんだ。それで……」
おばさんは恐らく、おやつを食べるか、誰か客をもてなすためのどちらかの理由で歩いていた。クッキーや湯飲みが散らばってるのはそのためだろう。
この屋敷には高くて良い皿と、普通の皿がある。客には大抵、質が良い皿をつかう。
あのときあった皿は……
いや、そもそも。
リュートがひめと、部屋から避難したというならおばさんはボクの部屋に向かっていたのだろう。
「ああ、そうそう、まず、これを聞きたかったんだ。
リュートは、なぜ、おばさんが来ることがわかったんだ?」
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