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正義の味方の見分け方エステル+リタ



「あ。リステル!」

研究室の前でちょうどリタとエステルが立ち話をしていると、背後にそれはそれは異様なほど高揚した気配が現れた。
その呼ばれ方に覚えのあった二人が振り向けば、そこにはペリドットの瞳を盛大に輝かせて羨望の眼差しを向けてくる少女がいた。

「こら!アンタまた変なこと覚えてきたわねッ」
「クノーは本当に物覚えが良くて羨ましいです」

リステルという単語の意味をどこぞから仕入れてきたのだろう。それを報告したくて堪らなかったと言わんばかりにクノーは自分より少し上にある二人の顔を見上げた。
口で言うほど邪見にできないリタと、こういう時だけ良き姉気質のエステル(限らずギルドの人々も含め)は、そんな彼女を優しく見守るのだった。
しかし今日は、次のクノーの発言で彼女らの頬は痙攣することとなる。

「リタとエステルがベルトの真ん中を風で回転させてフュージョン!って叫ぶと、巨大合体リステルになるって本当!?」

ピシリ、
二人の笑顔が固まり、ホールの空気も一瞬にして凍りつく。一人興奮冷めやらぬクノーを除いて。

「エステルお願い!リステルやって!」
「クノー、誰からそれを聞いたんです?」

普段より一段と柔らかで静かな声音でエステルが微笑めば、サッと周囲にいた人々は視線をそらす。

「確かユーリがよくよ」
「分かりました。ちょっと用事が出来たのでクノー、またお話しましょう」

黒い雰囲気を漂わせ始める二人の中、まるで空気を読まないクノーは追い討ちをかけた。

「あ。ちなみに3分したら胸のマークが点滅するんだってね!」
「そんな目ぇ輝かせてこっち見んじゃないの!…ったくあのいけすかない口を魔法で縫い付けてやろうかしらねえ」
「もう。リタったら物騒です」
「アンタの笑顔に比べればマシよ」

結局、足早に自室へ帰っていった二人の背を見送り、取り残されたクノーは小さく首をかしげた。チラと振り返れば、受付でこちらの話を聞いていたらしいアンジュ他、依頼を受けにきた仲間達と目があった。

「あれね。ユーリがよく呼ぶリステルって意味をマオに聞いたって言いたかったんだけど」
「「「(ユーリ乙)」」」



正義の味方の見分け方
(クノーにちょっと話がある)(他の子の依頼に付き添うって突然出ていったよ)(勘づいて逃げたなあのヤロウ)



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スキットのネタを繋ぎあわせた産物。ユーリ濡れ衣^^
仮面ライダーとDBと戦隊とウルトラのミックス。マオくんお前…

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