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31.シングルライフ







「留はさ、生まれ変わったら何になりたい?」


「いや、俺は人生は一回きりだと思っている口だ」


「べ、別にそういう次元の話じゃないんだけどな…」


「同じさ。来世とか前世とか、ないとは言わないけど俺はあまり宛にしていない」


「どうして?幽霊を信じないって類いかい?」


「幽霊も来世も前世だって、一応俺はあるとは思ってるぞ?」


「じゃあどういうことなんだい」


「だから、どんな人生も一回きりなんだってことだよ」


「分かんないなぁ」


「噛み砕いて言えば、今此処に居るのは誰だ?」


「留さんと、僕」


「此処にこうして居ることが出来るのは、今の俺達だけなんだ」


「来世や前世じゃあ、此処はないかもしれないものね」


「それに、隣にいるヤツも違うかもしれない」


「…。」


「記憶だって人格だって、まるで別人。俺が思うに生まれ変わるとは魂という核が新しい身体を手にいれることなんじゃないかと」


「…ふぅん」


「どうした?何故睨む」


「留さんは来世や前世では僕と違う人と居るって」


「…だぁから言ってるだろ。俺達の人生は一回きり」




俺達が此処で出逢えている人生は、今だけなんだ





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