* 「ホランダーの命令か。ホランダーに従えば、劣化が治るとでも思っているのか…哀れ、実に哀れだな」 「ジェネシス!」 宝条は眼鏡に指をかけて、笑いを含んだ声を出す。 ジェネシスはゆっくりと宝条にレイピアの切っ先を突きつけた。 すかさずザックスもジェネシスに剣を向ける。 「兄さん、もう止めてよ」 ナマエもゆっくりと、乞うようにジェネシスに剣を向ける。 その声に、ジェネシスはナマエのほうを向いた。 「まだ、俺を兄だと思っているのか」 「!」 「俺はモンスターと化してしまった。もう、お前の兄ではない…いや、俺はもとから…まぁいい」 ジェネシスは自嘲気味に笑い、首を振る。 ナマエはグッと剣を握る手に力をこめた。 「モンスターになったって、血が繋がってなくたって…貴方は私の兄でしょう」 「ナマエ…」 「だから、お願い…もうこんなこと止めてよ」 しかしジェネシスの心は動かない。 既に諦めているとでも言いたげに、悲しそうな笑みを浮かべた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |