*
「おい聞いてんのか」
ザックスは反応しないナマエに首をかしげる。
仕方がないので、車両に乗り込みナマエの座っていた席に向かった。
「おい、なあナマエ」
「…んで、…の」
ナマエはザックスを振り返らずにボソッと呟いた。
「何か言ったか?」
「!…いいよ、もう」
ナマエは荒々しく溜め息をつくと、頭を抱えてうずくまった。
「え…ホント、どうした?」
ザックスは不安そうにナマエの肩に手を置く。
するとナマエは、煩わしそうにそれをはねのけた。
「ナマエ…?」
「…触んないで」
ナマエは顔を伏せたまま呟く。
それは、先程とは違い
はっきりと聞こえた、拒絶の言葉。
「…何で」
「ザックスに、触られたくない」
瞬間
その場の空気が
一気に冷めた
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