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「すまない…助けて、やれなかった」
「離して、離してよ!」
「すまない…ッ」

ザックスは強く強く、ナマエを抱き締める。
ナマエは必死に腕を突っ張ろうとするが、ザックスの力にはかなわなかった。

「すまない…!」
「…ッ」

やめて、やめてよ
どうして、謝るの

「助けられなかった…ナマエの両親も、アンジールのお袋さんも、村の人達も」
「ザックス…」
「連れ戻せなかった…アンジールも、ジェネシスも…!」

ザックスは悔しさを堪えるように顔を歪めていた。
ナマエは思わず、言葉に詰まった。

貴方は何も悪くない
なのにどうしてそんなに苦しそうなの
私は貴方に謝ってほしいんじゃない
ぜんぶ嘘だと言って笑い飛ばしてほしい、だけ、なのに


「俺、もっと、強くなりてえ…もうこれ以上、誰も傷つかないように」

ザックスはナマエの肩に顔をうずめる。

でも、貴方は現実と向き合っている
苦しそうに、もがいているのに受け入れて
…どうして、貴方はそんなに強いのだろうか

ナマエは優しく、ザックスの背を撫でてやった…。

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あきゅろす。
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