* ナマエは気付かないフリをして、人通りの少ない脇道へ入り込む。 つけていた人物も、予想通り追いかけるように脇道へ入ってきた。 しかし、そこにナマエの姿はなくなっていた。 「やべ、見失ったか」 「何か用?」 「おっ…と」 ナマエはその人物の背後に立っていた。 人物は多少驚いた素振りを見せたが、さほど動揺はしていなかった。 「さっすがクラス2ndだぞ、と」 人物は逆立つ赤髪にヘアバンドの役割をしているようなゴーグルが印象的な、黒いスーツをだらしなく着こなす不良っぽい青年だった。 「誰?」 「俺はレノ。アンタはナマエ・ラプソードス、だろ?」 ナマエは不審そうにレノを見た。 警戒心強いな、とレノは苦笑する。 「これでもお前と同じ会社の社員なんだぞ、と」 「神羅の?」 「タークス…聞いたことくらいあるだろ」 確かに、聞いたことくらいはある…初めて見るが。 「タークスが、私をどうして見張ってるの」 「違うぞ、と。最近女の子ソルジャーが入ったって聞いて、見てみたくなっただけ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |