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「なに笑って…」
「お前、ほんと可愛い」
「ッ…。」
言葉に詰まって、耳まで赤くなるナマエ。また制裁が飛んでくるかな、とザックスは身構えた。
しかし、しばらくして返ってきたのは思わぬ言葉。
「わたし、が」
「ん?」
「…私が、やられっぱなしでいると思うな!」
「うぉ!?」
グンと反動をつけて思い切りナマエが背中を押し付けてきたために、ザックスは上半身をベッドに倒される。
スプリングがギシリと余韻を残すように揺れる中、突然のことにザックスが目を白黒させていれば。
そうすれば薄暗い天井を遮るように、目の前はさらに真っ暗になった。
同時に、唇に触れた柔らかな感触。
触れただけ、なのに、とてもその唇は熱くて心臓がドクリと跳ねる。
しばらく茫然としていたザックスが漸く我に返って目を見開いた時には、少しだけ勝ち気に鼻をならすナマエが真上から此方をのぞき込んでいた。
「調子のってんなばか!」
「…。」
「私だってこれくらい出来るんだからッ」
「…。」
「だから、からかってばっかりいら…ッ」
「うん、もう黙って」
それ以上はいらないと言わんばかりに言葉を遮ったザックスは、ナマエの頭を引き寄せてその唇にかぶりつく。
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