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「なんで駄目なわけ」
ためしにザックスが不満げな声を出してみれば、ナマエはビクッと肩を揺らして、チラッとザックスを見る。しかし、また視線はすぐにそらされた。
返答が得られそうにないので、またザックスが近付こうと力を入れれば、ナマエは小さく呟いた。
その一言に、ザックスの脆い平常心は簡単に崩れることとなる。
「は、ずかしすぎて…死ぬ」
なに、この可愛い生き物
「お前、帰ったら覚悟しとけよ」
「は、なん…ッ!?」
本日何度目か分からないナマエの制裁が下った…
「あぁもー…」
ドサッと柔らかなベッドに飛び込む。今日は一日がとても長く感じた。
ナマエは未だにおさまらないうるさい鼓動に眉根を寄せる。
「心臓、もたない…」
ぎゅうっと布団に抱きついて、ナマエは火照る頬を必死に冷やす。
正直なところ、ナマエは最近の自分に違和感を覚えてならなかった。
「ザックスを思い切り殴ることが多くなった気がする…」
…実は、これが最大の問題らしい。
「流石に一日五発は手が痛い」
本当にそんな悩みでいいのですか、、、
次第に瞼が重くなり、ナマエは眠りについた。
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