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ザックスは思わず思考停止。
普通ならこんなこと、恥ずかしがって出来ないとナマエは喚き散らすはずなのに。
「ナマエ…?」
「…あッ!?」
遠慮がちにザックスがナマエに声をかければ、ようやく自分が何をしたのか理解したナマエは慌ててザックスの手を離す。
その顔は真っ赤に染まって、ザックスの視線から逃れたいと言わんばかりに傾いてしまった。
…なんだ、これ
全てにおいて反則なんだけど
ザックスは次第に頬が緩むのを感じる。無意識だったにしても、ナマエからキス(口でないのは残念だが)をしてくれることがあるなんて。
自惚れていいよな…?
ザックスは真正面にうずくまるように座るナマエの柔らかい髪をそっと掬い、指に絡める。くすぐったそうにナマエが少しだけ顔を上げれば、予想外に彼の顔が近くにあって目を見開くことになった。
「すっごい嬉しかったんですけど」
「あ、あぁそ」
「俺もしていい?」
「だ、だめ!!」
ぐ、とザックスが更に近付けば、ナマエは慌ててザックスの口を手で塞ぐようにして押し返す。
まともに目を合わせられないとでも言いたげに頬を真っ赤にして視線をそらすその様子は見ている此方からすればなんともいじらしい。
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