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あからさまな反応をするナマエに少年も、ははぁんと子供らしからぬ笑みを浮かべるのだった。
「なッ二人して何その顔は!」
「いやぁ、だってなぁ?」
「だって、ねぇ?」
「ちょ、なにそれ!?」
からかう対象がずれたようで、ナマエとザックスの形勢は逆転。ザックスと少年は顔を見合わせて意思疎通。
二対一では流石にナマエに勝ち目はなかった。
「分かりやすすぎだよ姉ちゃん」
「う゛」
「素直な反応してくれちゃって、な?アイツかわいーだろ」
「なッ」
「ほんと。兄ちゃんには勿体無いんじゃない?」
「おい今ナチュラルに裏切ったな少年。逃げんな!」
きゃー、と逃げ出す少年の首根っこを捕まえようとザックスが腕を伸ばせば
ドゴッ
右脇腹にストレートが入った。
「気をつけて帰りなよー」
「じゃあねー」
ナマエは倒れ込んで悶絶するザックスを尻目にそのまま帰る少年を見送る。
結局、今回もザックスの一人負けで終わったようだ。
「あ、あばらイッたかも…」
「帰りにコーヒー牛乳買ってあげよっか」
「いやそこはプレーンで」
「牛乳にプレーンって使うっけ」
「わかんね」
「あ、ヨーグルト食べたくなってきた」
「同感でーす」
早くエアリスのところへ行きなさいよ。
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