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「アンジールも、どこかにいるのか…?」
ザックスは問いかけるように、ナマエの隣に膝をつく。
そうすれば、コピーは力を振り絞るように起き上がり、翼をはためかせて教会の上へ飛んでいってしまった。
「あの子、なんだか、悲しい」
エアリスはその様子を見つめていた。
ザックスとナマエも立ち上がり、柱の上に行儀よく座ったコピーを見上げた。
「お前、何しにきたんだよ…」
ザックスは何とも言えない表情で、コピーを見据える。
しかしナマエはといえば、彼とは少し違う思いにかられていた。
「約束、守ってくれた…のかな」
「約束?」
「帰ってくるって、約束」
いつだったか、最後に頷いて背を向ける、懐かしい人の姿が思い出された。
「帰ってきてくれた、のかも」
ねぇ、アンジール
「まさかゼロ地点出発だとはね」
凝った肩をコキコキと慣らしながらナマエは教会から出ていく。
そのあとを追うようにザックスがエアリスと話をつけたあとに走ってきた。
「大丈夫だって、どうにかなるだろ」
「ちなみにザックス、日曜大工的経験は?」
「ない!」
「だろうね」
先が思いやられる…
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