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すると突然、背後から妙な視線を感じた。
素早い動きで振り向くが、しかしそこには何もない。
「…?」
「どうした?」
「今、変な気配があったような…」
「確かに…」
景色にも特に変化はなかった。ザックスも辺りを見回すが、これといって不審なものは見当たらない。
ナマエは首を傾げて、進行方向に向き直る。
「勘違いだったかな?」
「うーん…まぁ、いいんじゃね?」
二人はそのまま、教会へ足を踏み入れる。
その背後には、先程彼等が感じた視線の送り主が姿を現していた…。
「エアリスー…って!?」
「ザックス!」
教会の中には、目的の少女と…異形の者の姿があった。
「モンスター!?」
ザックスとナマエはすぐさま剣を構えて、その狼型モンスターを牽制する。モンスターの背後では、エアリスが不安げに此方を見つめていた。
そして、そのモンスターを凝視するナマエがあることに気付く。
「ちょっと待って!あれは…」
「え?」
不意に二人が牽制を解けば、モンスターは頭を掲げて首筋を此方に向ける。
そこには、アンジールの顔を模した紋がついていた。
「アンジール・コピー!?」
懐かしいその正体に、二人は驚かされる。
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