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二人はホームから降りてスラムマーケットに向かい、店を見るのもそこそこに、エアリスのいる教会を目指す。


「エアリスいるかな」

「いるだろ、たぶん…って。ナマエお前、エアリスと話したことあるのか?」

「あの日ザックスが任務にいった後にね、彼女が教会にやってきたの」


エアリスと話したのはあれが初めて。まるで天使のようだと素直に思った覚えがある。
ふぅん、とザックスは指で小鼻を軽くひっかく。


「じゃあ、あの教会の中の花も見た?」

「うん、すごく綺麗に咲いていたよ」

「なんだ、そっかー」

「?」


少しだけトーンの落ちたザックスの声に、ナマエは疑問符を浮かべて彼を見上げる。
すると、ザックスは両腕を頭の後ろで組んでばつが悪そうに視線を上に向けていた。


「ザックス?」

「いや、もともと見せたかったから別にいいんだけどさ。なんか…複雑」

「複雑?」

「俺が育てたわけじゃないから言う権利ないんだけど。俺がナマエに見せてやりたかったなぁと」


機嫌をそこねた口調に変わりつつあるザックス。
キョトンと、ナマエはそんなザックスを見つめていた。


もしかして…拗ねてる?


そう思うと、なんだか可愛いものに見えるような気がした。





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