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それは確かに、話で聞かされただけではあるが、かなり真実味のある理由になり得るのではないだろうか。
…けれど。



「なら、それってジェネシスが」

「俺も最初はそうかなって思った…けど、たぶん違う」


けれど、ザックスにはどうしても、ナマエを導いたのがジェネシスだとは思えないようだった。
そんな根拠がどこにある、そう言いたげにシスネが眉をひそめれば、ザックスは頭を荒く掻き回した。


「思い出したんだ、最近になって」

「何を」

「モデオヘイムで、アイツ…ジェネシスが、最後に俺に言ったんだ」






妹を頼む、って




それは、息も凍るような極寒の地、モデオヘイムでのあの日の出来事。
アンジールの助言を頼りにツォン、クラウドと共にジェネシス及びホランダーの拘束に向かったザックス。
そこには閉鎖されていたはずの魔洸炉があり、彼等はそれを占拠していた。
やっとのことで侵入し、ようやく見つけたジェネシスは、劣化が急激に進行していて痛々しいほどであった。
劣化の浸食で、髪や肌が痛々しく変色しひびはいるその姿。
初めて相対した時の透き通るような深紅に包まれた彼はおらず、最早濁った朱とも見れない。




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あきゅろす。
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