# 「カンセルさんカンセルさん、女の子いないんだけど」 「さあな、俺だって噂聞いただけだし」 ソルジャーが整列するなか、ザックスは隣のカンセルの脇腹を小突く。 たまには期待はずれな情報もあるんだよと、カンセルも両肩をあげてみせた。 「まぁ女の子はいないけど…それっぽいのが」 「え、どこどこ」 「それとも、あれガキか?…ちっこい奴がいるんだよな」 全く見つけそうな気配のザックスに、カンセルはグイッと頭をもって見せたい方向へ捻らせた。 ザックスは痛え!と悲鳴をあげたが、次の瞬間に言葉を失った。 「(うわ、)」 視線の先にいたのは、1人のソルジャー。 ソルジャーの服と体がミスマッチで、なんとも幼く見える。背丈も周りに比べて低く、ソルジャーに入隊したわりに身体の線が細い。 魔恍によって空色に変色した切れ長の瞳が、小柄な容姿によく映えた。 ザックスはカンセルに向き直って一言。 「あれって年齢詐称?」 「そう思いたくなるよなぁ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |