[携帯モード] [URL送信]
ページ:9




「こ…来ないで!」


ビクッと、ナマエは肩を揺らす。それでも腕を下ろさないナマエ、だがかすかに怯みはじめたようで、じりと一歩後退る。
ザックスは尚も歩みを止めない。止めるつもりはない。







お前だけじゃない、

お前に必要とされていたいと願っていたのは、俺も同じだったのだ





俺は、ずいぶんと自分の想いを見誤っていた
いつからだったかなんて、分からないけれど

すれ違ってばかりで、その度に心が軋んで、持て余した想いが更にお前を求めた










「やめて、来るな!」


もうすぐ魔力がたまる、これ以上ザックスが近付いてしまえば、その軌道を外すことは不可能。





来ないで、来ないで

本当は…
君を傷付けたくなんか、ないのに



ナマエは更に後退るが、ザックスは歩みを止めなかった。

そして力が満ちてしまった瞬間、ナマエはせきを切ったように叫ぶ。
…それと同時に、ナマエは大きく目を見開くことになる。



「俺は…ずっとお前の傍にいたいんだよッ」



















…そんな


そんな…、





















世界が、音もなく

ホワイトアウトした





















「ザックス来ちゃ駄目ッ!!!」



[*前へ][次へ#]

9/11ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!