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ナマエは全てを吐き出した。

悲痛そうに歪んだ表情、ナマエの本当の不安や恐怖が、やっと正体を表した。



ザックスは、心のどこかで安堵していた。

彼自身にも、ナマエと同じような不安を抱えていた頃があったからであった。
そして同時に、どうして自分は今までそんなナマエの不安や恐怖を払拭することが出来ていなかったのかと、後悔する。




まだ、間に合うだろうか

俺に、彼女を救うことが出来るだろうか




…否、
間に合わせるんだ、救うんだ、俺が、絶対に





『分かってくれるよ、その人も』


そうだ、大丈夫、
あの言葉に、自分はもう背中を押してもらえたのだから







「聞けよ、ナマエ」


ザックスは意を決して、一歩足を進める。
これ以上、この少女を苦しませるわけにはいかない。


「俺とお前は同罪者だ」


ザックスは魔力が徐々に込められて赤く光る手のひらに臆することなく、更に一歩足を進める。
その表情にはもう困惑も迷いもない。真っ直ぐナマエを見据えて、確実に一歩進む。
僅かに、ナマエは眉をひそめた。


「俺はずっと、お前の傍にいてやらなきゃって思ってた…」


しかし、ザックスは小さく苦笑をもらした。


「…けど、違ったんだよな」



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