ページ:7
いつも、そうだった
私はいつも、君に何もしてあげられなかった
どんなに君が苦しんでいても、何も言葉をかけてやれなかった
“そんな私を、君が必要とするわけがない”
『私に彼が必要でも』
『彼に私が必要とは限らないではないか』
そして、私の手は「人殺しの手」
何度も何度も血に濡れて、憎しみや恨み、死を与えた手
『貴様らは間違っている!!』
“ドウシテ私達ヲ殺シタノ”
こんな手で、誰を救うことができる?
こんな私が、誰の支えになることができる?
「私、は…誰も救えない、誰の支えにもなれない!」
私はあの子のように君を癒やすことはできない
私の手は人の命を奪うことしか出来ない
「こんな奴、誰もいらないじゃない!」
そうして、
いつか誰かに面と向かって
「君はいらない子だ」と言われるのが恐くて
そう言われている、ような気がして…
孤独を恐れたばかりに
いつしか彼女は自らを孤独に追いやってしまっていた
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!