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「だけどその時は、思い直した」



此処にいる私を、誰かが必要としてくれているのならば
私は此処に留まろう、と

それが私の支えでいてくれた





けど、それも結局は独り善がりな自己満足

私が必要とされていたんじゃなくて
私が必要としていただけ



「だから、その理由もなくった」


私は誰からも必要とされていない


だから、





「私は、此処から居なくなるの」



ナマエはもう一度ザックスを振り返り、微笑む。
その笑みはまるで中身のない…空っぽの笑顔。











どうして、そんなこと言うんだ


ザックスは我慢ならなくなり、ナマエのその肩を掴もうと手を伸ばす。


「お前のことが必要な奴はいるだろ…!」

「嘘、いるわけない。居なくなったって構わないんだよ」

「違う!少なくとも俺はッ」











バァン!!!

赤熱がナマエの手から飛び出し、鉄の壁に激突する。
その圧縮されたエネルギーは、鉄に風穴をあけるほど。


「…君に私は必要ではないよ」

「な、に言って…!?」


ナマエの手のひらでは、先程の魔法の名残が揺らめいている。それを見つめた後ナマエは、その手をザックスへ向けた。


「だって、私は君に何もしてあげられないから」



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