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「神羅の裏事情がなんだってんだ。俺達は俺達だ…ソルジャーは俺達が夢見てきたソルジャーのままで良いんだ!!」
ナマエの中で反響する言葉は、今まで当たり前のように彼女が背負い続けていたものだった。それが今をもって息を吹き返したように、彼女の混乱を鎮めるように。
そして、いつかの記憶を…呼び起こすように。
“ソルジャー”ハ、殺戮ノ道具?
…チガウ
『…こんな平和を、私が守ってやりたいなぁ…って』
思い出されたのは
日の光を奪われた世界で、それでも瞳から光を失わずに駆け回る子ども達
そして、それを微笑ましく見つめる親代わりの青年と、自分
『今はこうやって人を守りたいと思ってる自分が嬉しい』
『私だって、ソルジャーだからさ』
私だって、
“ソルジャー”だから
「ぅあ、ああ…ッ……!」
ガランガラン…
ナマエは剣を取り落として、何かに耐えるように頭を抱える。
崩壊した、ザックスは直感した。
彼女の偽りの望みを支えていた土台が、本当の望みによって打ち壊された。
それによって、浮き彫りになるものが現れる…それが、ナマエが恐れている“もの”
ナマエは偽りの望みで自らを騙すことで、その恐怖に栓をしていたにすぎない。
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