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しかし、今度はザックスがその腕を引き止めた。
「おい、説明しろよ!」
「…ナマエが居なくなった」
「ッ…!?」
その短い言葉の中に、どんな意味が含まれているのか。ザックスは瞬時に理解した。
レノはザックスの腕を乱暴に振り払い、苦々しげに続ける。
「自宅待機を命じられてから今日までの間はシロ、ならば原因と言えるのはお前のその話くらいしか思い浮かばねぇよ」
つまり、ナマエの行く先は
受動にしても能動だったにしろ、それは
「奴らの元に…!?」
先日のホランダーの姿がザックスの脳裏をよぎる。
そして、切り捨てられたコピーを見つめていたあの瞳…
『浚われても良かったか』
あの時彼女に言ってはならなかった言葉が、蘇ってきた
「くそっ…!!」
そう言うが早いか、ザックスは教会から駆け出した。
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