貴方の背中はどこに
君よ、希え
命はぐくむ、女神の贈り物を
いざ語り継がん
君の犠牲、世界の終わり
人知れず水面をわたる風のごとく
ゆるやかに、静かに
--貴方の背中はどこに--
先日の同時多発襲撃事件
あれはやはり、ジュノンに拘束されたホランダーの救出のための陽動だったらしい
そして、調査が進んだ結果
その事件を起こしたのはあの失踪したラザード統括だということが明らかとなった
勿論、そんなことは公になることはなく
数日後、ラザード統括とホランダーの殉職の知らせが社員に伝えられた
「また、待機…」
電気もつけず、真っ暗なリビング。
中央にある柔らかなソファに埋もれるように、ナマエは天井を見つめたまま微動だにすることはなかった。
先日の襲撃事件の後、ナマエは今度は待機命令を出されたのだ。
しかし今回は休暇という優しい形ではなく、自宅謹慎に近いもの。まるで、彼女が何か悪いことでもしたかのように。
先程、カンセルからのメールで事の真相は大体把握した。
そして今、脳裏をよぎるのは
さぁ、おいで
こっちに、来るんだ
あの時の声、あの正体はおそらく。
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