ページ:7 ザンッ!! 「え、」 全てを切り裂かんとする、凶暴な音と共に。 途端に表情を失ったコピーは小さく唸り、ドサリと地に落ちた。 同時に、投げ出された形で宙を舞うナマエ。 「ナマエ!」 落ちてくる彼女をしっかりと、ザックスが受け止めた。 「ザッ…クス」 「焦ったー…お前、何浚われそうになってんだよ」 安堵したように息をつくザックス。 どうやら、彼がナマエを救ったらしい。 先ほどのコピーは、もう動くことはなかった。 ナマエはしばらく茫然と、切りつけられて動かなくなったそのコピーを見下ろした。 「…兄さん、」 ポツリと、ナマエは何か求めるようにそう呟いた。 まるで心此処にあらずのナマエの様子に、ザックスはピクリと眉を跳ねた。 「違う、あれはコピーだ」 「でも、さっき…確かに」 「ナマエ!!」 痺れを切らしたような怒声に、ナマエはビクッと肩を揺らす。 「あれはジェネシスじゃない、コピーなんだ!」 「違うよ、違うんだよザックス…」 「違わない!」 「だって兄さんみたいに、さっき優しくなったの!」 ザックスはナマエの肩を強く握る、そしてその瞳な向けて叫んだ。 しかし、ナマエも頑なに首を横に振るばかりだった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |