ページ:5 「うん、こんなもんかな」 ゲートに逃がすこともなく、敵を無事排除したナマエ。彼女の双剣も実に頑丈なもので、鉄材を斬ったというのに刃こぼれもなかった。 「よし、私も急ぐか」 そしてナマエが双剣をしまい、飛行場へ走り出そうとした時だった。 フワリ、 「…え、」 ナマエの目の前を、漆黒の羽がヒラリと舞い落ちる。 バサッと大きな羽音と共に、降り立ったのは 「兄さ、ん…?」 しかし、それはジェネシスの姿に最も酷似した種類のコピーだった。その証拠に、彼の左腕は巨大な銃と化していた。 ナマエは我に返って双剣を構える。 コピーは無言のまま、構えることもなくこちらを見下ろしていた。 そして、 「な、何…?」 スッと差し出された彼の右手、そこにはひとひらの漆黒の羽があった。 まるでこちらに渡そうとしているようで、ナマエは戸惑うようにコピーを見上げた。 「私に…?」 「…。」 コピーは微かに頷き、ナマエに手を出すように促した。 そしてナマエがおずおずと右手を広げ差し出せば、その上に優しく羽を乗せる。 それは、いつだったか拾ったアンジールの羽とは違う美しさを持っていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |