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「うおー…、」


ガクッと肩を落として、ザックスは仕方なしにエレベーターに向き直る。おおよそ予想はしていたが、ここまでとは…

ザックスは溜め息をついて、自分の手のひらを見つめた。先程までナマエを抱き締めていたこの右手には、まだそのぬくもりが残っていた。そのぬくもりが、どれだけ自分に安心を与えたかは計り知れない。

最近まったく接触がなったナマエは、以前より大人びた気がした。あの大きく見開かれた空色の瞳に自分が映った時、胸が詰まるような想いを感じた。

膨らみ続ける感情だけが先走る。
あの時間が、もっと長く続けば良かったのに。そう思えた。















「あら、ザックスじゃない」


自分が降りたあと、どこかへ行ってしまったエレベーターを待っていると、後ろから声をかけられた。


「シスネ?」


それは黒スーツに身を包んだ見知った少女だった。何故シスネが此処に?そう疑問に思った矢先。


「タークスに何か用事でも?」

「へ?」

「あら知らないの?此処はタークスのフロアよ」


ポカンとザックスは口を開けてシスネを見る。そうして彼女が此処にいる理由が分かった。





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あきゅろす。
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