[携帯モード] [URL送信]
ページ:7








大きな音をひとつたてて、心臓は止まったかのように音をさせなくなった。
体中を駆け巡っていた血も、脳を焦がすような熱も、途端に全てがおさまった。






その変わりに、
ヒヤリとした嫌なものに心臓を鷲掴みにされたような

ヤケに冷たい衝撃が訪れた。

















“私に彼が必要でも”




あの日の、兄達の殉職を知らされた日の記憶が蘇る。







あの時、悲しみを抱えた彼を支えたのは誰?

あの時、彼が涙を見せることを許したのは誰?










その誰かは私じゃない、その誰かはあの天使のような少女







“私に彼が必要でも”

“彼に私が必要とは限らないではないか”
















気付いた時、ナマエの指はエレベーターのボタンに触れていた。




[*前へ][次へ#]

7/8ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!