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本当に久方振りの彼は、いつの間にか逞しい青年になっているように思えた。
以前の子供っぽい雰囲気が薄れ、落ち着いた印象を持った。そして前髪をすべて後ろに送り、逆立てた髪型。左頬に刻まれた十字の傷跡。


「(随分と顔を会わせていないから、仕方のないことなんだろうけれど…)」


それにしても、だ。

まるで別人のようなザックスに、ナマエはどうしようもなく動揺していた。
勿論それはここ最近の互いの距離が遠すぎたことも影響している。
しかし何より、この期間に思わぬ変貌を遂げた彼を、どういうわけか直視できなかった。


「(…なんか、気まずい)」


当たり前と言えば当たり前。だがしかし、以前の自分達からは想像出来ないほどの場の緊張に、ナマエは身動きがとれなかった。





「なぁ、」


そうすれば痺れを切らしたのか、
その空気を取り払うようにザックスが口を開く。


「伸びたな」

「え、」

「髪だよ、それと…背丈とか?」


ナマエは思わず呆気にとられて、ザックスを見上げたままに硬直する。

い、いきなり何を言い出すんだ!

確かにナマエの髪は以前より肩につく程度に伸びた。そして成長期を過ぎたながらにも身長も少しだけ成長した。




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