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アイツは知らなくていい、
否、知られたくないんだ
殺し屋とターゲットに似た、俺達の関係を
「レノ、あまり深く歩み寄るものじゃない」
それはつまり、俺達の立場は
相容れてはならない関係だから
「我々は、タークスだ」
“私達は、タークスよ”
何度聞かされたであろう、その言葉。
レノは笑うのを止めて、ツォンに向き直った。
これ以上干渉してくれるな、
そう言いたげに
「分かってますよ、そのくらい」
「与えられた任務を寸分の狂いなく遂行するのが、タークス」
「だから。わかってるぞ、と」
しつこく感じるそれに、先程よりも荒々しく、レノは応えた。
分かってる分かってる、んなもん言われなくたって!!
しかし、ツォンは首を横に振る。
その眉根には、いつもはめったに見られない皺が出来ていた。
「心を許すな…お前がつらくなるだけだぞ」
そっと、ツォンはレノの肩に手を置いた。
この時ばかりは、レノも思わず目を見開く。
こんな事、今までにあっただろうか?
この万年能面の副主任が、此処まで…
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