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「レノ」
「…ツォンさん」
苦手なデスクワークをやっている最中に、後ろからお声がかかる。
レノが気だるそうに振り向けば、そこには先日の長期任務から帰ってきたツォンが立っていた。
「何すか?集中が途切れちまうぞ、と」
「話がある、付いて来い」
まさか逢い引き-?等とふざけるレノに呆れた視線を送り、ツォンは姿勢を正したままオフィスを出ていく。
レノは嫌そうに眉根を寄せてデスクから立ち上がり、その後を追う。
ツォンは人気のない廊下にレノを連れ出した。
「で、話って何です?」
「…お前の任務についてのことだ」
レノはその言葉に動じた様子はなく、それがどうかしましたか、と聞き返した。
「お前は監視を任されているはず。だのに何故」
「毎日のようにターゲットの傍にいるのか、ですか?」
ツォンが次に言うであろうことを察し、レノが口を開く。
「遠くから監視しようが傍で監視しようが、あまり変わりませんよ」
「…どうだろうな」
レノは両肩をあげて笑ってみせる。
しかしツォンは眉をひそめただけだった。
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