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しかし、返ってきたのは思わぬ答え。
「それも強ち間違ってねぇけど、正解でもねぇ」
お前は大事なことを見落としている、
ゴツンと、額に押し当てられたカンセルの拳。
わけがわからずに拳ごしに見上げれば、更に拳に力が込められた。
「アイツの“大切な人達”には、お前も含まれてるってこと」
瞬間、柔らかくなった友人の声。
弾かれたように目を見開けば、ジワリと温かなものが胸に広がるのを感じた。
そして、
長い悪夢から覚めたような、安らぎ。
「俺…?」
「ジェネシスやアンジールが姿を消してからだって、ナマエは今までの境遇を乗り越えてこれた。それが答えだ」
お前がいたから、ナマエは此処まで来れたんだ
深い後悔が少しだけ軽くなるのを、ザックスは実感した。震える息を吐き出し、肩から力を抜く。
堅く結ばれた拳を解いて、カンセルはその肩に添えた。
「まだ…間に合う、か?」
「さぁな。やらないよかマシかもしんねぇよ」
「ちょ、ヒドくね?」
「知るか。いつまでもぐじぐじしてたお前が悪い」
キツイ言い方をするものの、そこに棘はなかった。冗談めいた雰囲気さえ感じ取れた。
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