[携帯モード] [URL送信]
ページ:5


「なんでそんなに否定されなきゃいけねぇの俺!?」

「ほら分かってないな、あ-やだやだ」


頬杖をついて、さも小馬鹿にした表情でカンセルはさらに言う。
ザックスは思わず拳を握るが、振り上げる前に変化が起こった。


「お前。モデオヘイム以来、なんなわけ?」

「なんなわけ…って、」


マスクの中からでも分かる、カンセルに睨まれている。
ザックスはそう感じた。


「カンセル…何か怒ってる?」

「さぁな」


カンセルは低く冷たく、ザックスに言い放つ。
ストレートすぎるそれに、流石にザックスもグッと詰まってしまう
しかしカンセルのこれは友に対する怒り。
だからザックスは真正面から受け止めることが出来た。


「こっちだって事情は分かってる」


お前がどんなに大変だったかって事、悔やみ苦しんだかって事


「でもだからって、そんな後ろばっか見てたって仕方ねぇだろう」


いつまで引きずっているつもりだ、いいかげんに目を覚ませ
ぐさりぐさり、とカンセルの叱咤はザックスの心に突き刺さる。その瞳は苦しげにひそめられ、唇は引き結ばれた。
自身でも分かりきっていた自分のその事実を、改めてカンセルに言われると、耳を塞ぎたくなった。


[*前へ][次へ#]

5/13ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!