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「お前が投げると、小物も立派な武器になる」
セフィロスはボックスティッシュの当たった背中を軽くさすってみせる。
んな大袈裟な、とナマエは眉根を寄せてみせ、手渡されるボックスを受け取った。
「なら避けてよ。ボックス当たった所が潰れるんだから」
「あくまで俺の心配はしないか」
セフィロスは諦めたように苦笑して、部屋を出ていこうとする。
この一連の彼の不可思議な行動に、ナマエはキョトンとその背中を見送った。
「え…結局、何しに来たの」
「長期でな、しばらくは帰ってこない」
「え-」
「そうだな…軽く半年」
「え゛」
ボトッと、ナマエは整理したばかりの報告書の束を落とす。見開かれた空色の瞳は、すぐさま寂しげに揺れた。
長期、しかも半年以上とは…。その期間の長さに、知らずに胸が痛むように軋む。
気落ちして肩を落とすナマエに、セフィロスは振り向き、その頭に手を乗せる。
「俺のいない間に、何かしでかすんじゃないぞ」
「…し、しでかさないよ!失礼なッ」
まるで留守番をする子供に教えるようなそれに、ナマエはハッと我に返る。
いつもより優しげなそれに、むずがゆいのだがしかし嬉しさを覚え、隠すように顔を真っ赤にして喚く。
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