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「甘えたい時は、甘えていんだぞ、と」


ドクン

その特徴のある口癖に、頭の中が突然沸騰したように熱くなった。静まっていた血は、また勢いづいて身体を巡る。どうしようもない憤りが、頭を支配した。

何故、何故、何故
思わず取っ手に手をかける、強く握りしめてぐるりと回す。

何故、お前がそこにいる
そこは俺がいた場所ではないか

何故、お前が


「俺のやりたかったこと、してんだよ…!」

ギリ、と歯を食いしばりドアの向こうの奴の気配を睨み付ける。奴も分かっているのではなかろうか、何せ今の自分は存在感をだだ漏れにしている。だがしかし、このドアを開けられるほど理性がぶっ飛んでいるわけでもなかった。
今、ドアを開けてしまえば先日の繰り返しになる。
俺はまたナマエを傷付けてしまうのだろうから…


そして何より
今、ナマエの泣き顔を見たら
俺自身がどうなるか分からない…

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あきゅろす。
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