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離れ離れの涙




雨足が弱くなり、もうすぐ夕暮れ時。
スラムからプレートの上に帰ってきたザックスは、しっとりと髪を濡らす程度の雨を浴びて帰路へついた。




--離れ離れの涙--




朝から留守にしたマンションにたどり着く。その頃にはザックスはずぶ濡れ。
いくら小雨と言えど、だらだらと歩いていたら意味はない。ぐしょぐしょと歩く度に鳴る靴の中に、水虫にならなきゃいいが…とぼんやり思う。
幾分か、落ち着きをみせるようになったザックス。これもあの少女の力なのだろうか、と自室のフロアへ向かうエレベーターのボタンを押す。

そう言えば結局今日は出勤しなかった。明日はどんなお叱りが待っているのやら。

エレベーターのドアがスライドして、ザックスを迎える。中に入ってから、目線より下にある自室のフロアの階の番号のボタンをしばらく眺める。…とくに意味はなかった。


ラザード統括だからやっぱり怒ってるよなぁ…


エレベーターは待ちきれず、ドアを閉めてしまう。それからやっと、ザックスは階のボタンを押した。



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