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それはまるで夢の中に浮かんでいるような
現実味のない、ふわふわとした虚無感

ただただ、その虚無感だけが先走っているようで。感情を置いてきぼりにしてしまっているようで。
…ならばその感情はいつ、虚無感に追い付くだろう

そんなことを他人事のように考えること自体が、自分自身でも不思議に思える。
あぁ、いよいよ自分が分からなくなってきた。


「ナマエ…」

ナマエはしばらく黙りこくった後、ソファから立ち上がった。
何も言わずそのまま、エレベーターへ向かう。
カンセルは慌ててその背中に声をかけた。

「おいお前、どこ行くんだ?」
「分からない…」

ナマエはカンセルの声に、足を止める。
そして顔だけ少し振り向かせて、ニコリと微笑んだ。

「私は大丈夫だよ」

その言葉が、やけに重く感じられた…




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あきゅろす。
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