*
俺は、何をしてるんだろう
分厚い鉄板によって日の光の届かない世界に、何となしに足がおもむく。
この黴臭い空気も、もう馴れた。
昨日の夜を共にした、何も知らせていないあの子
ただがむしゃらに彼女を貪った
理性なんかあったもんじゃない
夜明け前、隣で静かに寝息をたてていた彼女を残して
彼女が目覚めた時、どんな顔をして、どんな言葉をかけたらいいのか分からなくて
いつの間にか
こんなところに、逃げてきていた。
「あ、俺…無断欠勤だ」
携帯を開いてみれば、既に出勤時間なるものを過ぎていた。
ペナルティでもあるだろうか、だがしかし今はそんなことはどうでも良かった。
「俺、何してんだろ」
疑問はまた振り出しへ戻る。
そう、自分は今何をしているのだろうか
誰からも答えは得られない。
自分で答えを見いだすことも出来ない。
…否、それは言い訳
今は何も、考えたくはない
何も、
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