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「嘘。だって兄さんとアンジールはクラス1stで…」

ナマエは、何か小さな希望を探すように口角を曲げる。
しかし瞳は絶望に濡れ、今にも壊れそうだった。

「ジェネシスは魔洸炉の底に身を投げ、アンジールは…ザックスに自分を殺せと言って、命を絶った」

カンセルはこれが事実だと言わんばかりに首を横に振る。


アンジールと兄さんが死んだ


その信じがたい知らせは、私をどこまでも崩壊させた。


また貴方達は私を置いてきぼりにするというの
どんなに近くまで追いついたって
またすぐに遠くに行ってしまうだなんて


「ナマエ…」

膝から崩れ落ちるように、ナマエは床にペタリと座り込む。
肩は震え、まるで寒いかのように自らの身体を抱きしめてうずくまる。
とめどなく、苦しげな嗚咽が響いた…。

しかし、その瞳に涙が湛えられることはなかった。

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あきゅろす。
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