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「俺の…名前、呼ぶなよ」

ザックスはそう言って、倒れているナマエの上に覆い被さる。
ナマエは押し返すように抵抗するが、優しさもへったくれもない強力のザックスの腕に押し込められてしまう。

「どい、てよ…ッ」
「…。」

また反応がなくなるザックス。
頭の隅で、何かが警報を鳴らしている…。
どうにかザックスの気を逆撫でないようにしないと…
先日のレノとの出来事が頭をよぎり、すぐさま振り払った。
あの時の不安がよみがえる。

「逃げたり、しないって…」
「…嘘だ」

小さな、しかしはっきりと聞こえた拒絶の言葉。
恐る恐るザックスと目を合わせてみれば、思わず息を飲んだ。
ザックスの瞳は、獣のそれと似ていた。
本能、それが彼を取り巻いている…

逃げなければ…喰われる。

しかし、ナマエの体が動くことはなかった…

「お前も、どこかへ行っちまうのか…」


そのすがるような瞳に、射抜かれて。





夜が、明けないものかもしれないと
思ってしまった



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