* 床に押し倒され、冷たいフローリングに背中を打ちつけた。 痛みより、強い衝撃が頭の回転を遅らせる。 ナマエは眉根を寄せて、自分を押し倒して見下ろしているザックスを見上げた。 「な、に…ッ」 「…。」 また無言。 ザックスの瞳は、何も映ってはいないかのように無感情。 思わず、寒気がした。 この人は、いったい誰… なぁ、なんて顔してるんだよ 何でそんなに怯えた顔してんだよ お前もいずれ、俺を置いていくのだろう お前もいつか、俺に殺してくれと願うのだろう 俺を、置いて、どこかへ そんなこと、させない お前まで失ってたまるものか どこにも行かせない、行かせるもんか なぁアンジール、 今の俺に、誇りなんてありはしない 誇り高いアンタが俺の名を呼ぶなら 俺の名前は俺の誇りだろう なぁだから、 今の俺に誇りはないから 「ザッ…クス…」 「だから、呼ぶなよ」 頼むから、俺の名前を呼んでくれるなよ [*前へ][次へ#] [戻る] |