待ちわびた君と、知らぬ君 “夢を持て、英雄になりたければ夢を持つんだ” ――――パキッ 「え…」 戸棚の上に置かれた、写真立て。 三人の子ども達が映った写真のフィルターに 突然、ヒビが入った。 まるで、羽が舞い降りるように一筋に 「アンジー…ル…?」 --待ちわびた君と、知らぬ君-- 何故か今日は、言いようのない不安を感じる。 先程の奇妙な出来事のせいもあるかもしれない。 ナマエはソファにうもれるように座り込んで、先程割れた写真立てを胸に収めた。 窓から見える空は、今日は生憎の曇り。まぁミッドガルに曇りも晴れもないのだが。 ナマエは浅く息を吐いて更に腰を沈めた。 ザックスが任務でいなくなって2日。 向かった先はモデオヘイムだとか… ツォンとクラウドも同行しているようなので、あまりそこは心配することはないだろう。 おかしなことがない限り、そう遅くはならないはず。 今日か明日には帰ってくるだろう… [次へ#] [戻る] |