* この暗い薄明かりの世界に閉じ込められた子ども達に、光を渡しにきてくれたんだ。 ナマエは少しばかりポカンとし、徐々に頬を赤らめていった。 ウィンドは夢見がちな発言だったかと少し反省してみるが、しかしその表現が一番しっくりくるとも思うのだった。 それくらい、ナマエの存在は自分達に大きな影響…希望のような、何かをもたらしているのだ。 「少なくともアンタは既に、あの子供達のヒーローだよ」 「…。」 恥ずかしそうに視線をそらすナマエ。 ほめられるのが苦手なタイプか。 しばらくプレートの裾から覗く遠くの空を互いに眺める。 すると小さく、ナマエの唇が開いた。 「私、英雄になれるかな」 「あぁ、もちろんだ」 それこそ真面目に、ナマエの横顔にそう言ってやれば その顔は嬉しそうにほころぶのだった。 [*前へ] [戻る] |