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「だから今は、こうやって人を守りたいと思ってる自分が嬉しいの」
「え…」
「そりゃ、自分の問題を棚にあげて笑ってられるほど器用じゃないけど…私だって、ソルジャーだから」
皆の平和を守るのが英雄。
なら、彼等が追い掛けていた“それ”を、私がつかんでみせようじゃないか
「最近は、そういうふうに思えるようになったんだ」
「…そうか」
それは良かった、
ウィンドはそう言って、ナマエに頷いて見せた。
なんだ、何も心配することはないじゃないか
この子はもう、自分のやるべき事を見つけている
「っ…はははっ」
「な、なんで笑うの」
前触れなく笑い出したウィンドに、ナマエは少しばかり不満そうに頬をむくらせる。
あぁ違う違う、可笑しくて笑っているんじゃないんだ。
ウィンドは首を横に振った。
「“怪獣は正義の味方にやっつけられる”…」
「?」
そう。
先程の子供が顔を膨らませてナマエに告げた言葉。
ウィンドはナマエに微笑みかけた。
「アンタは怪獣にみせかけて、正義のヒーローだったんだな」
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