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「それだけだったのに…」
私はただ、貴方達と共に居たかっただけなのに
肩が震えた。
何かを耐えるように、
「ナマエ…」
「私は、自分の我が儘を通したいがためだけに…ソルジャーになったんだよ」
最低だよね、とナマエは笑う。
世界を平和にしてくれる英雄になりたかったわけじゃなく
「私こそ、ほめられるようなもんじゃない…」
ウィンドは何も言えずに、横に座るナマエを見る。
先程の自分の発言に少しばかり後悔した。
“全員が全員でもないだろ”
あれではまるで、彼女を追い詰めたようなものだ。
自分の目的の浅はかさに後悔しているナマエを、更に暗くさせたのではないか…
ウィンドが内緒そんなことを心配していると、突然ガタッとベンチが揺れた。
それはナマエが勢い良く立ち上がったから。
驚いてウィンドがそれを見上げると、そこには先程のあの暗さは何だったのかと思わせるほどの笑顔があった。
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