*
黙っていた自分が馬鹿みたいだったと、ナマエは小さく笑った。
そして、先程の言葉の理由を話始めた。
「ソルジャーは、皆を守る英雄を志す人達なんだよ」
「全員が全員でもないだろ」
「だけど少なくとも、私の周りの人達は英雄を夢見てた」
兄さんもアンジールも…そしてザックスも、
彼等は皆、英雄に憧れて
「単純なくせに、一生懸命で…皆そっくりだった」
ナマエは懐かしむように笑っていた。
ウィンドは首を傾げる。
「まるで志を持っていたのはアンタ以外の奴らだ、って言い方だな」
「…。」
ナマエはピタリと笑うのを止める。
その視線の先は、無邪気に遊ぶ子ども達。
「…私がソルジャーになったのは、英雄になりたかったからじゃないんだ」
キュッと拳を握りしめ、視線を落とす。
何かを悔いるように目をきつく閉じた。
「置いてかれるのがイヤで、ひとりぼっちがイヤで、無理矢理にでもあの人達と一緒に居たかったから」
私を独りにしないでよ
私も一緒に連れて行ってよ
どこにも行かないでよ
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